フランソワ・オゾン監督『私がやりました』を見た。
クライムミステリー? ブラックコメディ? 女性の賢さや強かさが、見ていて気持ちよかった。女性の地位向上や『#Metoo』運動の要素も盛り込みつつエンタメ作品に仕上げているのがすごい。母性や友愛を強調している『しあわせの雨傘』よりもこの作品の方が好きだ。
有名映画プロデューサーが殺害される。容疑者の若手女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)は、弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)の助けを借りて正当防衛を主張し、無実を勝ち取る。
検察官の侮蔑に満ちた発言に対して、毅然と接するポーリーヌがかっこよかった。パンツスーツがよく似合っている。お風呂のシーンの仕草で、ポーリーヌはマドレーヌを愛していると思った。マドレーヌは気づいていないし、彼女の結婚に対してもポーリーヌは応援しているので、思いを告げることはしないつもりなのだろう。
一躍時の人となったマドレーヌを見て、大女優オデット(イザベル・ユペール)が登場してから、話がややこしくなる。イキイキしていて憎めないキャラ。
ラストの終わり方はかなり力技な気もするが、ハッピーエンドなので後味はいい。マドレーヌは本当にその男でいいのか?