トランスレーションズ展@21_21 DESIGN SIGHT

 2021年一発目の美術館はずっと行きたかった「トランスレーションズ展 - 『わかりあえなさ』をわかりあおう」。

 

 面白かった!「翻訳」がテーマでこんなにたくさん展示ができるんだ、と驚きました。翻訳ときいてまず連想されるのは言語だと思います。Google翻訳を使った展示も楽しかったし、翻訳できない表現、その国ならではの言葉の紹介なども良かった。日本語からは「木漏れ日」と「積ん読」が紹介されてたかな。イラストも可愛かった。

 

 この展覧会では、自分の感情を言葉にして表現することも「翻訳」、障害者が音の振動やスポーツ観戦をより身近に感じるための機械やコミュニケーションの模索も「翻訳」と捉えていて、「翻訳」を違う視点から考えることができました。

 

 自分の語彙力のなさや表現力のなさに嫌気がさしたり、歯がゆかったりした経験がたくさんあるので、前者の「翻訳」はすごく親近感が湧きました。で、思い出したのがポルノグラフィティの「パレット」の歌詞

 

だって知っている言葉はほんのちょっとで

感じれることは それよりも多くて

無理やり 窮屈な服 着せてるみたい

 

 「『わかりあえなさ』をわかりあおう」というサブタイトルがあるように、翻訳のなかでこぼれてしまう感情やニュアンス、伝わらない気持ちなどは絶対にあって、自分の感情→自分の言葉もそうだし、もちろん人⇄人も絶対にわかりあえない。でもこの展覧会ではそのことを前向きに捉えて、他人との違いや翻訳から生まれる「誤訳」を楽しもう!という姿勢が胸にストンときました。

 

 他にも生物と人間とのコミュニケーションや、縄文土器を現在の暮らしに溶け込ませるプロジェクトなど、幅広い分野の「翻訳」を楽しみました。

 

www.2121designsight.jp